親父が病気になった。
まだ検査結果は出ていないが本人は弱気だ。
30代にもなれば身内が病気になることもあれば不幸もある。
そんな時に身を固められていない自分に負い目を感じる。
私は人生を好きに生きてきたと思う。
だから今の情況に文句はないし幸せだとも思う。
でも世話になった親父には申し訳ない気持ちが大きいのだ。
いや、迷惑を掛けてきたと言ったほうが正しい。
元気なことだけが取り柄であり、それ以外に親父が喜んでくれる要素はないだろう。
『ちゃんとしろ』
親父にそんなニュアンスのことを言われたのは高校に行かなくなった時が最後だった。
放任主義といえばそうかもしれない。
気がつけば36才。
気持ちが若くても、未熟でも、平等に時間は流れる。
人生を謳歌している62才の親父に、願わくば元気な時間が続きますように。
どうかまだ、タイムリミットが訪れませんように。