20年前、16才。
私『ああ、ギター欲しいなぁ。買おっかなぁ』
先人『OK。では20万円用意しろ。話はそれからだ。』
私『 』
…何も言えなくて夏。
みなさんはこんな経験ありませんか?
軽はずみな言動を先駆者達は見逃さない
これはギターだけの話ではなく趣味全般に言えることです。ちょっと興味が出てきたくらいの時に、詳しい相手にポロッとこぼすと大変です。
- ゴルフやろっかな
- スノボ始めよっかな
- 登山って楽しそうだよね
- ホームシアター組もっかな
- PCゲームできるパソコン欲しいな
- 熱帯魚飼ってみよっかな
などなど。
半ば思いつきのような台詞を、その分野に強いこだわりを持つ人の前で口にすると、見事に釣り上げてしまうことになります。
そしてそうなってしまったらもう最期。必要なアイテムからその選び方、掛かる費用まで実践的かつ具体的なアドバイスが小一時間は続くことになります。
始めるなら最初から良い物を使うべき論
そういった情報をあなたに伝えてくる相手がこの理論を持っていた場合には、話はさらにあなたの意欲を低下させる方向へと向かいます。
冒頭の流れがその一例ですが、実際にはギブソンとマーチンの違いやら型や素材による音の違いや、新品で買えないなら中古はどうかという提案。そして中古を選ぶ際の注意点まで小一時間は話を聞いていました。
そして私は
買うのやめたよね。
この時にやっかいなのは、相手が親切心から説明してくれているという点です。
相手には悪気なんて一切ありません。むしろ自分の好きなことに興味を持ってくれたあなたが、スタートで失敗しないように一所懸命に善意から教えてくれているのです。
でもね、
段階ってあるよね。
人によって差があるところではありますが、興味を持ったくらいの段階で「プロを目指すためのギター選び」みたいなレクチャーは時期尚早です。
優しく導いてほしいんだ…
今でこそそうでもないですが、思えば若い頃は『◯◯やろっかなぁ』という発言にはどう思う?という意味合いも込めていました。
だからさ、もうちょっとさ、導いてほしいのさ
例えばこんな感じに。
私『ギター買おっかなぁ』
友人『そうなんだ!いいじゃん何弾きたいの?』
私『いや、ちょっと弾き語りとかやってみたくてさ、ちなみにアコギっていくらくらいすんの?』
友人『まあ最初から良いの買うつもりなら20万前後からだけど、2万くらいでも買えるしピンキリだよ』
私『20万は高いね、でも見てみたいから今度楽器屋でもいってみようかな』
友人『いいね!自分が気に入ったのを選ぶのが一番いいよ。選ぶなら俺もつきあうよ』
私『まじ?選び方わかんないし助かるよ。じゃあ今度頼むわ』
友人『ああ、弾けるようになったらバンドでも組もうぜ』
なにこいつちょーイケメン。自分で妄想しといてなんですが、このくらいが私にとっての理想なんですが…ちょっとワガママ?
でも10代の少年の心なんて8割方ガラスなんで優しくしてあげてください。なんたってガラスの少年時代ですから。
先人たちよ、芽を摘むべからず
結局私はそれから10年後に2万円のエレアコを買ってギターを始めたのでした。
大体ね。楽器経験もない素人が良いギター使ったところで、チューニングずれてるのすら分からないんだから宝の持ち腐れです。最初からプロになることが目的とか、憧れのミュージシャンと同じギターが欲しいとかなら有益な情報だったかもしれないですけどね。
趣味のアイテムは大抵消耗品です。特にスポーツやら楽器やら、使い倒してなんぼのアイテムを気負って購入していたら大事にし過ぎて上達しません。安物でもいいから自分が気に入ったアイテムを買って、ボロボロになるまで練習してほしいと思います。
値段なんていくらだっていいんですよ。始めたいと思った情熱が冷めないうちに手に入れてください。ただし、出来るようになりたいのか、飾りにしたいだけなのかはよく考えましょう。
最後に、これからギターを始めたいという方に、私からアドバイスを送って終わりたいと思います。
せめて5万円用意できない?
おしまいっ!